会長あいさつ
皆様の人生に寄り添い、くらしと生き方を支えます
日本理学療法士協会(Japanese Physical Therapy Association)は、医療専門職である理学療法士という国家資格者による学術・職能団体です。理学療法士の国家試験合格者累計数は20万人を超えており(2022年度現在)、これは日本の総人口の約600人にひとりが理学療法士であるという計算になります。その活躍の場は医療の枠にとどまらず、子供からお年寄りにいたるまで、保健・予防、健康増進、介護、福祉、産業などあらゆる分野に及んでいます。
J.自立を支援する
家族やまわりの人の手を借りずに、少しでも自分でできることを増やしたい。そして自分でできることは自分のペースで行動したい。仮に身体が不自由になっても、自分の意志で自分の行動を決定したい。理学療法士は、こうした「あたりまえ」の自立を求める方の後押しをするために、身体と生活・環境を調整することを支援します。
P.ぴんぴんころり(尊厳ある終わり)を実現する
命はいつか途絶えます。痛い、息苦しい、食べたいものが食べられない、トイレに行けない―誰もが人生の最後に苦しみが伴うことを望んではいません。理学療法士は人生の最後までできる限り豊かで尊厳のある暮らしができるようお手伝いします。
T.立つ・歩く、自分の足で
人を含む脊椎動物は二肢あるいは四肢で身体を支えます。身体を支える肢がしっかりしていないと、様々な身体の変調が生じます。歩けない、どこにも行けない、運動不足になる、骨がもろくなる、転びやすくなる、血液がドロドロになる、脳が不活性になる、生活習慣病が出現する、後遺症が残る病気やけがをする、後遺症があるとさらに動きが悪くなる。こうした悪循環を断ち切るために、理学療法士は、「立つ」「歩く」をいつまでも保つことにこだわります。
A.安心・安全 全ての世代の方の健康を実現するために
怪我や病気によって身体を思うように動かせない人もいます。しかし、人は身体を動かさずに健康を保つことが難しい生き物です。理学療法士は、いかなる環境にあっても、その中でできることを考え、全世代の国民が健康のための行動を、安心・安全に、効果的に取ることができる社会になることに貢献します。
私たち理学療法士は、皆様の健康と幸福に寄り添ってまいります。
2023年6月
公益社団法人
日本理学療法士協会
会長 斉藤秀之